白髪のいくつかの原因
年齢を重ねると自然に増えてくる白髪。鏡の前でふと見つけて、少し出てきたと思ったら急に増えたと、いやだぁ~と思った経験がある方も多いのではないでしょうか?

白髪=老化と思われがちですが、実はそれだけが原因ではありません。今回は白髪になるメカニズムと、その原因について詳しくご紹介します。
1,老化によるメラニンの減少
髪の毛に色をつけているのは「メラニン色素」。毛根のメラノサイトという細胞がメラニンを作っています。
しかし加齢とともに、このメラノサイトの働きが低下し、メラニンが作られにくくなります。その結果、髪が白くなるのです。これは「加齢性白髪」と呼ばれ、自然な老化現象のひとつです。老化は誰でもするので仕方ないという部分はあります。
2. 遺伝の影響
白髪には遺伝的な要素も大きく関わっています。
「両親や祖父母が若い頃から白髪だった」という方は、自分も早くから白髪が出てくる可能性があります。特に思春期~20代で白髪が目立つ場合は、遺伝の可能性が高いといわれています。また、両親や、祖父母の誰かに白髪が多い人がいるとなると、自分も遺伝から白髪が年齢とともに増えていくということはあります。
3. 生活習慣の乱れ(食事・運動・睡眠)
乱れた生活習慣は白髪を増やすのリスクを高めます。
栄養バランスの悪い食事、運動不足、睡眠不足などは、髪や頭皮の健康を損なう原因になります。
特に、髪の毛の成長に必要なビタミンB群、亜鉛、鉄分、タンパク質が不足すると、色素細胞の働きが低下しやすくなります。栄養の吸収も、個体差があるともいわれていますが、サプリメントやプロテインよりまずは、食事からよく噛んでいろいろなものを食べるもがバランスを保つことにつながります。
髪に必要なアミノ酸:メチオニンとフェニルアラニン
髪の毛は主に「ケラチン」というたんぱく質でできており、その原料となるのがアミノ酸です。中でも白髪予防に関わる重要なアミノ酸が「メチオニン」と「フェニルアラニン」です。
メチオニンは、必須アミノ酸のひとつで、体内では合成できないため、食事からの摂取が欠かせません。このメチオニンは、髪の色素を作るメラニンの合成をサポートするほか、抗酸化作用を持つ「グルタチオン」という物質の生成にも関わっています。グルタチオンには過酸化水素を分解する働きがあり、白髪の原因の一つとされる「酸化ストレス」を抑える力があると考えられています。
一方、フェニルアラニンも同じく必須アミノ酸で、神経伝達物質の前駆体として知られていますが、実はメラニンのもととなる「チロシン」に変換される重要な成分でもあります。チロシンはメラノサイトがメラニンを生成する際の材料になるため、フェニルアラニンが不足するとメラニン合成に支障をきたし、白髪が増える要因となることがあります。
これらのアミノ酸は、肉類、魚、大豆製品、卵などたんぱく質を多く含む食品から摂ることができます。その栄養素だけを考えるのではなくいろいろなものを食べ、バランスのよい食事を意識することで、白髪の予防や改善に役立つ可能性があります。
4. ストレスの影響
強いストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、血流やホルモンの働きにも影響が出ます。
これがメラノサイトの機能を低下させ、白髪を引き起こす原因になることがあります。実際、短期間で急に白髪が増えたというケースでは、ストレスが関係している場合も少なくありません。
ストレスがアミノ酸代謝やタンパク質合成に与える影響
現代人にとって避けがたい「ストレス」ですが、これが白髪の増加に深く関わっていることが分かってきています。 そのメカニズムの一つが、ストレスによるアミノ酸の利用バランスの変化と、タンパク質合成の抑制です。
強いストレスを感じると、体は「コルチゾール」というストレスホルモンを分泌します。コルチゾールは一時的に体を守る働きがありますが、過剰に分泌され続けると、筋肉などからアミノ酸を取り出し、エネルギー源として使おうとするため、体内でのアミノ酸の使い方が偏ってしまいます。 その結果、髪の材料となるアミノ酸(メチオニンやフェニルアラニンなど)やタンパク質が、髪やメラニン合成に十分回らなくなってしまうのです。
さらに、慢性的なストレスはタンパク質の合成自体を抑制する作用があることも分かっており、これによって髪の毛の主成分である「ケラチン」や、髪に色を与える「メラニン」の生産力が落ち、白髪が増える原因になると考えられています。
つまり、ストレスはただ気分を落ち込ませるだけでなく、体内の栄養利用のバランスや代謝にまで影響を与え、結果として白髪の増加を招く可能性があるのです。たくさんのストレスをためないように自分に合うストレス解消法や、考え方を変えるなどの自分なりの方法を見つけておくのが良いですね!
5. 血流の悪化
頭皮の血流が悪くなると、毛根に十分な酸素や栄養が届きません。これにより、メラニンを作る細胞の働きが弱まり、白髪が増える原因になります。冷え性や肩こりのある人は、頭皮の血行にも注意が必要です。軽い運動、ストレッチやヨガ、ウォーキング、ラジオ体操などや、家事で体を動かすよう意識するのが良いですね!
6. 過酸化水素による色素破壊
あまり知られていませんが、体内で自然に発生する「過酸化水素」も白髪の原因のひとつと考えられています。
この物質は強い酸化作用を持ち、メラニンを分解してしまう働きがあります。通常は分解酵素(カタラーゼなど)によって無害化されますが、加齢や体の酸化ストレスが高まると処理が追いつかず、白髪につながることがあります。
過酸化水素は、髪を染めるカラー剤、アルカリ白髪染め、ストレートパーマ・縮毛矯正の2液、パーマの2液などに含まれています。
まとめ
白髪の原因は一つではなく、老化、遺伝、生活習慣、ストレス、血流、そして体内の酸化など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
完全に防ぐことは難しくても、生活習慣の見直しやストレス管理をすることで、進行を遅らせたり、髪の健康を保つことは可能です。
老化は突然というよりじわじわと進むので、白髪が増えてきたな?と感じたら、自分の体からのサインだと思い、ライフスタイルを見直してみることが、白髪対策の第一歩かもしれません!
あ~白髪が増えたな~と思ったら、老化が始まったな?と受け止め、生活習慣に気を溶けて、髪を染める!!というのが自分で見た時にも気分は良いのかな?と思います!